2019年 04月 14日
ダンスパートナー |
昨晩は、まずは友達の誕生祝いの食事に招かれた。
(こちらでは誕生日の当事者が家族や知人を招待するのが普通)
同じ住宅地にあるスペインレストランに、彼女は5人の友を招いて、
小さく祝った。
近頃はこういう祝い方が流行っているそうな。
一度に何十人もの客を自宅に招くのではなく、数人ごとに分けて、
レストランでの食事や自宅の食事に招くんだそうで、
ある友達は、こういうミニ招待をなんと10回もしたそうだ。
これはお金も時間もかかるけれど、毎回、招いた客とじっくり話せるのが良い。
大きなパーティーを開くと、準備の大変さもさることながら、本番になっても、
料理や飲み物や食器へ注意が払われてしまって、お客たちとゆっくり話すことも
できないし、大勢の客だと、話せる機会は限られてしまう。
夕食の後、ちょうどレストランの近くの会場で開かれていた、
ダンスナイト、というダンスイベントに出かけた。
私たちがアルゼンチンタンゴを習っている当地のダンス教室は、
自称ヨーロッパで最大のダンス教室だそうで、
市の中心部のスタジオだけでなく、
数年前には大きなダンスハウスも開設して使っている。
大小のホールがいくつもあって、普段は各種のダンスレッスンのほか、
結婚披露宴などのパーティー用にも貸し出される。
年に二回開かれるダンスナイトでは
スタンダード&ラテン一般(ワルツ、クイックステップ、ディスコフォックス、
チャチャチャ、ルンバなどなど)のほか、サルサ、アルゼンチンタンゴ、スイング専用の
部屋もあって、老いも若きも、たくさんの人でごった返した。
私たちのように、初心者っぽい人もちらほらいるけれど、
大抵は、慣れた調子で踊っている。
男性が、柔軟に体を動かして、女性をリードしてダンスは進む。
残念ながら、カップルで踊るダンスは、リードする男性が上手くないと、上手くいかない。
女性は、リードする男性に無条件に従わなければならないから。
数日前に習ったばかりのアルゼンチンタンゴの新しいフィギュアを、
私のパートナーはもう忘れてしまっていた。
習ったという事実すら、忘れてしまったらしい。ウー。
一年前までは一緒に二年間も習っていたサルサにいたっては、
基本ステップすらも忘れてしまって、ドタドタと足をふみ鳴らすばかり。
私は彼と踊る時にはいつも、彼の耳元で、
「アイン、ツヴァイ、ドライ」といつもリズムの拍子を唱える。
聞こえてくる音楽から、この拍子を聞き取ることができない人もいる、
ということも最近になって知った。
このイベントの客たちの中にも、ステップやフィギュアは上手にできるのに、
全く音楽を無視して、音楽のリズムには無関係に踊っている人が多い。
リードする男性が音楽を無視しているのか、音楽のリズムについていけないのか、、、。
いずれにしろ、カップルで踊るダンスはサルサにしろ、タンゴにしろ、
リードする男性の能力に大きく左右される場合が多い。
30年以上前、東京の山王に住んでいた頃、時々近くにある、
ライブ演奏のあるバーに、夜中に出かけていた。
ピアノ、ベース、ギター(マスター)のトリオがラテン音楽を演奏し、
マスターが歌うだけでなく、客がライブに合わせてラテン系の歌を
歌うこともよくあった。
日によっては、ダンスの夕べもあった。
客たちの中には、それはそれは上手なカップルがいて、
女性が男性のリードでクルクルクルクルターンしたり、
当時の私には分析できないフィギュアが展開していた。
当時の私はダンスを習うことにも、ダンス自体にも
興味がなかった(あー、悔やまれる)。
客の一人、ダンスが素晴らしくうまい中年のおじさんが私に、
「踊ってみたら」と言ってくれた。
「私、全く何もできないんですけど」と言ったら、
「僕に従って動くだけでいい」と保証してくれた。
このおじさんがリードしてくれるのに従って動いているだけで、
いつの間にか踊れてしまった。
おじさんは姿勢が良くて、動きがエレガントだった。
このおじさんはなんと寿司屋の親方だそうで、
店のマスターからも他のお客からも
「お寿司屋さん」と呼ばれていた。
あのお寿司屋さんのようなダンスパートナーがいたら、
素晴らしいのにな。
ただし、ダンスにおけるパートナーとしてだけ。
友達のドリスとも今朝の電話で、
「いくらダンスが上手くても、そういう男性を
人生のパートナーにしたいとは思わない場合が多いから
困るのよね」と話した。
人生のパートナーとダンスのパートナーが一致しないことは
よくあるらしい。
「ダンスを習いたいけれど、ウチの旦那では到底無理だから、、」
という声をよく聞く。
私もサルサでは、うまいパートナーと踊りたいばっかりに、
個人レッスンに通っている。
贅沢な楽しみだけれど、これが唯一の贅沢から良いかなっと。
by Solar18
| 2019-04-14 19:23
|
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Comments(6)
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otenbasenior at 2019-04-15 01:26
人生のパートナーとダンスのパートナーが一致しないことはよくあるそうですが、我が家はHaving two left feetの二人、友人達の楽しそうなダンス姿を見てはため息です。
1
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フフ
at 2019-04-15 06:34
x
そう、ダンスは本当に男性次第。
女性はひたすら身を任せるだけ。
でも、男性もリードすりゃあいいってものでもないんですよね。
強引に力をこめると女性が怪我をするかもしれないし。
あくまでも優しく、でも決断は相手に効果的に伝える、に徹する人がパートナーになると、女性は踊りやすいです。
女性はひたすら身を任せるだけ。
でも、男性もリードすりゃあいいってものでもないんですよね。
強引に力をこめると女性が怪我をするかもしれないし。
あくまでも優しく、でも決断は相手に効果的に伝える、に徹する人がパートナーになると、女性は踊りやすいです。
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Solar18 at 2019-04-15 19:44
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Solar18 at 2019-04-15 19:49
> フフさん
そうなの、サルサの先生のちょっとした動きで、どういうわけか足が自然に動くのが不思議です。力ずくが良くない、リードする人とリードされる人の腕や手の位置次第で、怪我も生じるみたいです。この「決断を効果的に伝える」「リードされる側も、相手の微妙な動きで相手の意向が理解できる」、そのやりとりがエキサイティングで、個人レッスンを止められません。
南ドイツに住む日本人女性がブログで、「サルサのリードは力づくでする男性がいる」と書いていて、ニヤッとしてしまいました。
そうなの、サルサの先生のちょっとした動きで、どういうわけか足が自然に動くのが不思議です。力ずくが良くない、リードする人とリードされる人の腕や手の位置次第で、怪我も生じるみたいです。この「決断を効果的に伝える」「リードされる側も、相手の微妙な動きで相手の意向が理解できる」、そのやりとりがエキサイティングで、個人レッスンを止められません。
南ドイツに住む日本人女性がブログで、「サルサのリードは力づくでする男性がいる」と書いていて、ニヤッとしてしまいました。
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SBM0007 at 2019-04-16 20:14
やりたいことをやる、大事なことだと思います。
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Solar18 at 2019-04-16 22:07
> SBM0007さん
本当にそう思います。子供の頃にはこれが出来ませんでした。
本当にそう思います。子供の頃にはこれが出来ませんでした。