2023年 03月 21日
イタリアの父の日、野球、 |
3月19日は父の命日だ。
35年前、全身を癌に冒された父は2年間の大半を
病院で過ごし、散々苦しんだ挙句、
夜中に心臓が永久に止まった。
最初に止まった時には病室に医師や看護士が駆けつけて
電気ショックで心臓をもう一度動かしたけれど、
2度目に止まった時にはもう何もせず、
「御愁傷様、、」と頭を下げて、
「それでは速やかに片付けてください」と言って
私たちを病室に残した。
この過程は前から用意されていた儀式のように思えた。
母も弟も私も泣くことも涙を出すこともなく、
父の苦しみ(母の苦労も)がやっと終わって
ホッとしたというのが本音だった。
私たちがタクシーをやっと見つけて
実家に帰宅したら、遺体はすでに到着していた。
留守宅で、父の死を知らずに眠っていた義妹は、
遺体を運んできた葬儀屋に起こされ、
眠気まなこで対応した。
携帯電話がなかった時代での話。
一昨日、この3月19日に、
相棒の長男がローマから相棒に
「父の日、おめでとう」とメッセージが入った。
「え?今日が父の日なの?まっさか」と私たちはいぶかった。
ドイツの父の日は「昇天祭」と同じ日だから、毎年日付が違う。
今年は5月18日のはずだ。
イタリアでは父の日が3月19日であることを私たちは知らず、
相棒の長男もドイツでは父の日が5月であることを忘れたらしい。
でもおかげで、「久しぶりに」父の命日を意識的に偲んだ。
父が70歳にもならない内に他界した「おかげ」で、
私はこちらに移住できたのは、
皮肉というか、運命というか(運命とか信じないけれど)。
話は変わるけれど。
いくつかのブログでWBCという言葉を見かけた。
なんのことだか分からなくて、ググったら、
野球のW杯なのね。知らなかった。
こちらでは野球はほとんど知られていない。
プレイする人もたまにいるらしいけれど、
野球がニュースになることもないし、
周囲で野球をしたことがある人も知らない。
相棒に野球のルールを説明したけれど、
理解してもらえなかった。
フライとかヒットの意味を分からせるのは
難しい。私も子供の頃は不思議だった。
イギリスのクリケットもドイツではポピュラーではないから、
野球はもっと遠くの存在なのかもしれない。
ドイツの大臣たちが週末に日本を訪問した。
でも、こちらでは全くニュースにならない。
たくさんの税金使ってお花見に行ったんじゃないの?と
勘ぐりたくなる。いいなあ。
鳥の囀りに起こされる季節がやってきた。
by Solar18
| 2023-03-21 20:27
| 親子関係
|
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Comments(4)
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kazemachi009 at 2023-03-21 23:10
たぶん日本の大臣、議員たちも、日本国内でさえあまり報道されずに、たくさん税金使って物見遊山に行っている気がします。
総理大臣が自分の息子をお付きにして外交に行った際、当の息子は観光してたんじゃないかっていう疑惑もありましたし。
総理大臣が自分の息子をお付きにして外交に行った際、当の息子は観光してたんじゃないかっていう疑惑もありましたし。
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Solar18 at 2023-03-21 23:50
> kazemachi009さん
今回の訪問はドイツを出発した時の光景と日本での記者会見(首相たちの)だけは報道されたのに、その後は夜のニュースでは全く触れられていません。そもそも「これまで中国から買っていた原料が中国から買えなくなったらどうしよう」という問題を日本に出かけることで解決しよう、ていうのが無理だと思うのです。だから、「お花見かな」なんて勘ぐったりしたくなります。
それよりも、中国との賢い外交の方が緊急だと思うのですが。日本とドイツはアメリカの顔色をうかがう、という点で共通していますねえ。
今回の訪問はドイツを出発した時の光景と日本での記者会見(首相たちの)だけは報道されたのに、その後は夜のニュースでは全く触れられていません。そもそも「これまで中国から買っていた原料が中国から買えなくなったらどうしよう」という問題を日本に出かけることで解決しよう、ていうのが無理だと思うのです。だから、「お花見かな」なんて勘ぐったりしたくなります。
それよりも、中国との賢い外交の方が緊急だと思うのですが。日本とドイツはアメリカの顔色をうかがう、という点で共通していますねえ。
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jyariko-2 at 2023-03-22 06:08
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Solar18 at 2023-03-22 16:58
> jyariko-2さん
遅まきながら、おめでとうございます。
確か、学校時代の友人の一人も3月19日がお誕生日だったので、父が他界するずっと前からこの数字には馴染みがありました。
こちらでもサッカーのワールドカップでは政治の話題よりもずっと関心を呼びます。
そういえばこちらでも、役にたちそうもないのに、最初の頃は政治家たちがこぞってウクライナ詣をしました。世間に見せておく必要があるかのように。こちらの文部大臣は昨日、台湾に出かけました。中国を怒らせるためかと思ってしまいました。
遅まきながら、おめでとうございます。
確か、学校時代の友人の一人も3月19日がお誕生日だったので、父が他界するずっと前からこの数字には馴染みがありました。
こちらでもサッカーのワールドカップでは政治の話題よりもずっと関心を呼びます。
そういえばこちらでも、役にたちそうもないのに、最初の頃は政治家たちがこぞってウクライナ詣をしました。世間に見せておく必要があるかのように。こちらの文部大臣は昨日、台湾に出かけました。中国を怒らせるためかと思ってしまいました。